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吉田修一さんの原作、行定勲さん監督の映画、『パレード』の制作会社?配給会社?の方から連絡があって、推薦文を寄稿させて頂きました。シェアハウス(ルームシェア)を舞台にした作品だったからです。おすぎさんや、椿彩菜さんに混じって、チラシやHPにコメントが載っています。

公式HPはこちら↓
http://www.parade-movie.com/

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一応、試写会の前に原作も読ませていただきました。
「本当の自分を隠して共同生活を送る4人」みたいな宣伝文句だったので、嫌な予感がしてかなり警戒して読んだのですが、小説の方はなかなかいろいろ考えさせられました。映画は、ラストシーンの一言が入って全く違う印象になっているので、小説を読んでから映画を見られたかたは解釈の幅に意見が分かれるかもしれません。



一応、ネタバレしない範囲でシェアの話に触れると、この小説/映画に出てくるのは、2LDKのマンションの2つの個室を、「男部屋」と「女部屋」に分けるという、フラットの個室をルームシェアしている形態です。女部屋で一人が眠っている横で、もう一人が音を消してテレビを見たり仕事をしたりするシーンもありましたから、大変だろうなと思います。一方、共有部分である中央のリビングでは、みんなでテレビ見たり、お客さんを泊めたりしていました。藤原竜也くんが、一番年長でシェアのリーダー的な役柄を演じていたのに、軽い世代的ショックを感じました。もう、どちらかというとお兄さんの役なんですね。

シェアに至る経緯は、藤原くんが結婚を前提に付き合っていた女性と二人で住むために買っただか借りただかしたマンションだったのが、一緒に住み始めるとなんだか気まずくなっていたところに、その女性の呑み友達である香里奈演じるキャリア女性が引っ越してきて、で、小出恵介くんも転がり込んできて、いつのまにか婚約者の女性は出て行ってしまって、貫地谷しほりさんも行くところがなくて、みたいな、もうぐちゃぐちゃした成り立ちでした(うろ覚え)。

たぶん、部屋の契約者である藤原くんが、家に帰るのも遅くてあまり家にいる時間もなく、部屋に人がいてもあんまり気にしないタイプのおおらかなひとだと、そこに転がり込んできた人も、特に誰にも部屋を独占したり排除したりする気も権限もないまま、なんとなくこんなことに成りうるかな、という印象。

暇そうにしているシェアメイトをパチンコに連れ出したり、一緒にコンビニに買い物に行ったり、シェアしていることがバレたら追い出されるのを心配したり、リアルな描写もあって、これまでの日本の映画やドラマでのシェアの描かれ方とは少し違うかなとも思います。

程なくDVDにもなると思いますので、詳しいことはまた後ほど。

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