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今年から奈良女子大学に赴任された井口高志さんの研究室に遊びに行ったときに、藤村正之編『差別と排除の[いま]4 福祉・医療における排除の多層性』(2010年、明石書店)をお土産に頂いて帰りました。もちろん、勝手に持ってきたわけではありません。

井口さんは第3章認知症をめぐる排除と包摂―老い衰えといかに生きるか?」を執筆されています。久保田はこの分野については全く不勉強なので、勉強させて頂きます。

2007年の単著と併せて、ご紹介させて頂きます。どうもありがとうございました。
関西でまたご飯でもご一緒できる日を楽しみにしております。

家族社会学の分野でも児童虐待の研究で有名な、徳島大学の上野加代子先生から、新刊『国境を越えるアジアの家事労働者――女性たちの生活戦略』を送っていただきました。お礼&ご連絡が遅くなり、申し訳ありません。

本書の内容については、出版前にKAFS(関西家族社会学研究会)にてご報告・議論させていただいたものなので、とても感慨深く思います。2007年ごろからの科研のフィールドワークを元にした分厚い調査から、ケア労働力の国際移動の現実迫っている作品です。

詳しく拝読しましたら、追って感想なども上げたいと思います。

重ねて、出版おめでとうございました。過去の著作と合わせて、ご紹介させていただきます。


大阪大学の稲場先生より、新刊『利他主義と宗教』(2011年、弘文堂)を頂きました。出版おめでとうございます。刊行を楽しみにしておりましたので、嬉しいです。

東日本大震災の記述から始まる本書は、宗教と聞くと拒絶反応を示してしまう人が多いかも知れませんが、「他人を助けたい」「他人のために何かしたい」と思う気持ちとはいったい何なのかを考える上で非常に重要なものと思います。はたして、著者のいう「利他主義」は、社会関係資本論にいう十分に拡張された利己主義、長期的な利己主義とどのように異なるのか、興味深いところです。

詳細は、これから読ませて頂きますので、読み終えましたらまた感想などアップしたいと思います。

重ねて、出版おめでとうございました。

関連書籍と一緒にご紹介させて頂きます。


  

阿佐ヶ谷のシェアイベントで知り合った中川さんから声をかけていただき、鶴橋にて、日常編集家のアサダワタルさんとお会いしたんですが、そのときの対談の様子が収録された『未来回路4.0』が11月に出版されています。

アサダさんは数年前に「住み開き」という活動を行っていて、そのときからずっとお話させていただきたいと思っていたので、今回お会いする機会が持てて本当に嬉しかったです。

http://sumibiraki.blogspot.com/

二人の共通点や、スタンスの違いなども見え隠れしつつ、刺激的な2時間でした。

『未来回路4.0』には、他にもpha(@pha)さんと玉置 沙由里(@sayuritamaki)さんの対談や、齋藤桂太(@satoketa )くんたちの座談会なんかも収録されていて、盛りだくさんな内容となっております。

以前の号と併せて、ご紹介させていただきます。


昨年度に訳書が刊行された『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』の著者であるエヴァ・キテイ教授が、出版を記念して来日された折の講演録や研究会などを元に編んだ本が、このたび白澤社さんより発売されました。タイトルは『ケアの倫理からはじめる正義論――支え合う平等』です。

本書は、やや難解な哲学書だった『愛の労働...』に対する普及版という位置づけで、インタビューや講演録などを交え、平易な話し言葉でキテイ教授の議論のエッセンスを分かりやすく解説しています。編者でもある岡野八代先生、牟田和恵先生らの解説論文のほか、江原由美子先生、林葉子先生、中谷猛先生らも寄稿されています。豪華ですね。

さて、久保田は『愛の労働...』の翻訳をお手伝いした関係で、キテイさん来日のときに少しだけお話しさせて頂きましたが、ロールズへの徹底的な批判者であると同時に、ロールズの議論を非常に高く評価している姿が印象的でした。今日本は空前の正義論ブームといった雰囲気ですが、彼女の議論を筆頭に、フェミニズム/ジェンダー視点の正義論が日本でも無視できない大きな流れとなっていくことを期待しつつ。

是非一度、お手にとって見てみてください。

あと、『愛の労働...』の方も是非よろしくお願いいたします。


  

前の職場から公私ともにお世話になっております、甲南大学の阿部真大くんから、『居場所の社会学――生きづらさを超えて』(日本経済新聞出版社、2011年)を頂きました。本書執筆中の昨年度から、折に触れて議論してきた内容でもありますので、感慨深く思います。謝辞にまで名前を入れて頂きありがとうございます。

さて、若手社会学者としてのデビュー作『搾取される若者たち』(集英社新書、2006年)の「ドライな」語り口とも、より若い世代に向けた講義録である『二十歳の原点』(筑摩書房、2009年)の「アツい」語り口とも微妙に異なり、本書では妙に「ウエット」な阿部真大が見え隠れします。小学生時代に近所の子どもたちとなじめなかった話から、ぐだぐだな私生活を抱えながらバイク便ライダーをやっていた話まで、従来の読者は阿部君のこれまでとは違った意外な一面を垣間見ことでしょう。逆に、阿部君をよく知る人は腹を抱えて笑い転げるでしょう。

ただ、本書は「社会学」と銘打たれている割には、「居場所」の明確な定義もなく、「居場所」に関する先行研究もまばらで、終始やわらかいエッセイ調の文体の中に、突然「ジンメルによれば...」とか出てきて面食らう場面もあり、若干タイトル負けしている感もあります。いきなり居場所に関する4つの「命題」から始まって、いったい何が起こっているのかよく分かりませんでした。本格的な学術書と思ってアマゾンで注文すると、うっかり悪い評価をつけたくなるかもしれません。

それでもなお、切実な社会問題と自らの経験の間をフィールドワークで架橋していく阿部君のフットワークとバイタリティには、毎度のことながら敬服させられます。とりわけ、バイク便、ケア労働、合コン、ロック、キャリアラダーと、一見流行のトピックを追ってふらふらしているように見えて、実際には自らこだわり続けてきた「居場所」という縦糸で筋を通してみせるのは流石でした。彼の師である上野千鶴子先生の「学問は私利私欲でするもの」という言葉を思い出します。

もし、いまこの瞬間にも、自分には「居場所がない」と感じ追い詰められている高校生や大学生(あるいは様々な世代の人々)にとって、この本が自分のもやもやした不安や居心地の悪さを言語化し、生き延びるための新しい居場所を開拓する助けになるとしたら、それもまた社会学者の重要な仕事ではないかと思います。

改めて出版おめでとうございます。お疲れさまでした。


 

ICU時代に大変お世話になった石生義人先生より、出版されたばかりの単著『アメリカ人と愛国心――白人キリスト教徒の愛国心形成に関する社会学的研究』(彩流社)を御恵投頂きました。草稿を読ませて頂いておきながら、きちんとしたコメントを返せないうちに、先に出版されてしまいました。お役に立てず、大変申し訳ありません。次こそは何かの役に立ちます。

さて、著者の石生先生は、ミネソタ大で学位を取られたあと、筑波大を経て、ICUで教鞭を執られている先生です。専門は政治社会学、とくに愛国心とのかかわりに関して、当初は量的なアプローチが主体だったはずですが、調査実習で長らく聞き取り調査を受け持つうちに質的調査にも関心を持つようになり、ついに自身も本格的な聞き取り調査に乗り出した初めての成果が、本書だと認識しています。重ねて、ご出版おめでとうございます。

これはICUの先生に共通することかもしれませんが、専門家でありながらも学生に敬意を払うことを忘れず、学生が知っていること、感じたこと、考えたことから学ぼうとする姿勢には、本当に心を打たれました。また、「研究が楽しくてしょうがない」「この研究は絶対に面白い」と公言してはばからない大学教員を、久保田は石生先生しか知りません(笑)。そういう意味では、直接卒論の指導を受けた訳ではありませんし、テーマもアプローチもパーソナリティも全く違いますが、久保田が目標とする先生です。

ところで、久保田の周りにはナショナリズム、愛国心研究をしている研究者や院生仲間も多いので、宣伝しておきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


岩波書店から刊行されているシリーズ<若者の気分>から、編集委員のお一人でもある浅野先生の執筆分が出版されました。青少年研究会などでお世話になっている関係で、一冊頂きました。刊行おめでとうございます。御恵投、痛み入ります。

パトナムの社会関係資本論を批判しつつ、若者が趣味を通じて社会参加することの可能性と意味について検討しており、研究の上でも非常に参考になりました。詳しい感想なども交えて、追ってまた議論させて頂ければと思います。

シリーズの既刊本も交えて、ご紹介させて頂きます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


 

市民科学研究所が発行する雑誌『市民の科学』2011年第3号に、「シェアハウスにどんな可能性があるのか?」と題した対談が掲載されました。お相手の宮町優子さんは、名古屋でシングルマザーの市民活動を続けてこられた方です。「シングルマザーはシェアを活用できるのか/難しいとすればなぜか」というのは、久保田にとっても非常に大きなテーマで、2時間ほどだったかと思いますが、楽しく議論させて頂きました。

もともと、久保田が若者のシェアをテーマに研究を進めてきたのは、日本でも子育ての共同や介護の共同の試みは少なくないのに、なぜ働ける若い時期には一人で住むか家族と住むかしか選択肢がないのか、といった疑問からでした。なので、比較的自立した成人同士の対等なシェアを理論化しつつ、その中に、一端脇に置いた「依存?ケア関係」をどう組み込んで従来の家族論を再構築できるかは、残された大きな課題です。その意味でも、非常に刺激的で参考になりました。

改めまして、お忙しい中、大阪までご足労いただいたインタビュアーの宮町さま、司会の中村共一さま、どうもありがとうございました。また、本書には、「つながりを創る―共生的自立・自律への探求」というテーマで、共同作業所やまちづくりに関する論考も収められておりますので、関心のある方は是非お手に取ってみてください。



世界思想社より刊行されている、井上俊・伊藤公雄編、社会学ベーシックスシリーズ(全11巻)の別巻、『社会学的思考』を頂きましたので、ご紹介させていただきます。

このシリーズは、社会学に関する国内外の重要文献280についての解題という網羅的なもので、そのせいか、執筆者は中堅から若手まで幅広いのが特徴でしょうか。ただしこの別巻だけは、マルクス、デュルケーム、ヴェーバーからバーク、ミルズ、ギデンズまで、あまりにも領域横断的でどのテーマにも収まりきらない最重要文献ばかりが収録されているためか、目に見えて執筆陣の平均年齢が高めです(笑)。

他の10巻全部と併せて紹介させて頂きます。勉強します。

  
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